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トリエ京王調布
支配人髙安 勝大2011年、京王電鉄株式会社に入社。
2023年6月、同社SC営業部(現:株式会社京王SCクリエイション)へ異動し、2025年6月にトリエ京王調布の支配人に着任。休日は、家族と一緒にトリエや調布PARCOなど、調布エリアに出没することも。趣味は映画鑑賞で、最近感動したのはイオンシネマ4DXシアターで観た「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。 -
調布PARCO
店長金子 圭司1992年、株式会社パルコに入社。
札幌から福岡まで全国8店舗を歴任し、2025年3月より調布PARCOの店長に着任。趣味は音楽鑑賞で、ジャンルはソウルやジャズのほか、ブラジル、ワールドワイドな音楽など多岐にわたる。おすすめのミュージシャンは、Nujabes(ヌジャベス)。休日は妻と街ブラを楽しむことが多い。
新しさと歴史が混ざり合っている
調布は“ちょうどいいまち”
髙安:本日はよろしくお願いいたします。駅前商店街の会合なども含め、金子さんとは数カ月に1回程度のペースでお会いしていますね。
金子:布多天神社の神事でもお会いしましたね。髙安さんの第一印象は、とてもスマートで魅力的。実際にお話しするとフランクですし、いろいろな経験をされているので引き出しが多く、会話の内容がいつも興味深いです。
髙安:ありがとうございます。金子さんとは調布の駅前商店街の役員会で初めてお会いしました。その場を非常に盛り上げてくださって、周囲を巻き込んでいくムードメーカーという印象です。
金子:褒められると恥ずかしいですね(笑)。
髙安:私たちの施設がある調布のまちの魅力として、まず挙げたいのは、水木マンガや「映画」という文化がまちに溶け込んでいるだけでなく、イベントが盛んな点です。近年では、行政が「調布市スポーツ推進計画」を進め、スポーツ施設も充実してきました。
一方で、深大寺や布多天神社のように歴史ある場所も大切に残されています。新しいものと歴史あるものが共存しているエリアだと思っています。
金子:さまざまなジャンルの美味しい個人店があり、まちのサイズ感の割にはコンテンツが贅沢にありますね。でも、忙しさに追われる感じはなく、せかせかしていないというか、時間がゆっくり流れていますよね。調布に住んでいるスタッフとも「何でも揃っていて、ちょうどいいまち」ってよく話しています。
髙安:調布に住んでいる方々の“調布愛”も感じますよね。
金子:まさに、その通りですね。損得勘定なしに“まちを良くしたい!”っていう意識がとても強く、それを誇りに思っている方が多いのではないでしょうか。
とはいえ、決して高飛車ではなく、外部から来た人たちに対してもウェルカムな姿勢が根付いていて。「調布が好きならおいでよ、一緒にやろうよ!」という、人懐っこさも調布の魅力だと思います。
髙安:冒頭でお話しした駅前商店街の会合では、参加初日に私の歓迎会を開催していただきました。まだ、右も左もわからない状態の私を温かく迎え入れてくださり、何が話題とされているのか、どのような方々がいらっしゃるのかなどを、丁寧にご紹介いただきました。地域の会合でそこまでしていただいたのは、初めてです。
金子:地域の交流の場に伺うと、気さくに橋渡しをしてくれますよね。みなさんの“共有したい”という深い愛情を感じます。
好奇心旺盛でやんちゃな姉と凛とした妹
2つの施設は姉妹のような関係性
髙安:トリエ京王調布は、来年の2027年に10周年を迎えます。一方、調布PARCOさんは35年以上の歴史があります。私自身は、昨年、着任したばかりなので、想像にはなりますが、先にPARCOさんがまちに根を下ろしている中で、“調布のまちとともにどう歩むべきか”、当時の担当者は真剣に考えたと思います。
金子:調布PARCOは1989年に開業しました。先人たちが調布のまちに可能性を感じたのだと思います。トリエさんが開業した当初は、競合として売り上げを奪い合う見方をされることがあったかもしれませんが、むしろその逆で、相乗効果で売り上げが伸び、まちとしてのパワーアップにもつながったと感じています。
髙安:トリエは、「調布らしい“ちょっとステキ”な生活」をお客さまに提供することを目指しています。開業時の志は大切に引き継いでいきたいと思っていますし、このコンセプトを一緒に形にしていけるスタッフがいてくれることが、本当に心強いです。
金子:いい関係性ですね。調布PARCOはPARCOの中で5店舗目の開業で、生活に根ざしたまちで35年の歴史があります。今や三世代のお客さまに支えていただいていることを実感しつつ、少し枠を超えた試みにも挑戦していきたいと考えています。当社は、もともとお祭り好きの会社でもあるので、“お買い物以外の楽しみ”も意識しながら日々運営しています。
髙安:そこはもう、尊敬すべき大先輩です。
金子:会社としてのパーパス(存在意義)は、“感性で世界を切りさく”、ヴィジョン(描きたい未来)は“刺激、デザイン、クリエイト”です。言葉だけを並べるとなんのこっちゃと思ってしまいますが(笑)。多様な個性やお客さまが集まる中で、ただ新しい商品を売るだけでなく、体験価値を高めることを重視しています。
ECで何でも買える時代に、わざわざ来店してくださる、そんなお客さまに、少しでも楽しさを感じてもらえるように注力しています。
髙安:PARCOさんとトリエは、同じようなものを展開して、競い合う関係性ではないと思っています。例えば、店舗の入れ替えを検討する際には、私が言わなくとも「PARCOさんにこういうお店があるから」とスタッフの頭には入っていますから。
お互いにうまく共存できているエリアって、なかなかないことだと思います。
金子:そうですね。お客さまも私たちのそういう姿勢に共感いただいているのではと思います。「PARCOの天ぷら屋でランチしたあと、トリエのコーヒーショップでお茶しよう!」というように両方の施設を行き来して楽しんでいるんですよね。
だからこそ同じような店舗がたくさんあっても意味がなくて、それぞれの個性を生かすことが大切だと考えています。“トリエさんらしさは何か?”とか“PARCOらしさは何か?”ということを常に意識しています。
髙安:対談の前にあらためて株式会社パルコさんのホームページを拝見したのですが、“カルチャーを創造する”など、当社では用いないワードを企業として前面に掲げ、形にして商売をされています。トリエに着任してから約10カ月経過しますが、間近で拝見する中で、PARCOさんがその言葉をまさに体現されているなと感じています。
金子:トリエさんは、高濃度、高密度でお客さまと向き合っていて、“自分たちがやるべきことは何か?”という使命感を感じます。
また、まちの本質を理解しているからこその出店店舗選びの目利き力も我々にとって学びとなっています。
まあ、“やんちゃなお姉ちゃん(=PARCO)”と、“凛として賢い妹(=トリエ)”みたいな関係ですね(笑)。
髙安:姉妹なんですね(笑)。
金子:女性のお客さまのご利用が多い施設ですから。
一緒に働いているスタッフの
うれしそうな顔を見るのが喜び
髙安:スタッフとは、コミュニケーションを第一に考えていて、できるだけ直接会って話すようにしています。
チャットツールは確かに便利ですが、文字だけでは伝わらない、“表情”や“声のトーン”にこそ、本当に伝えたいニュアンスが宿り、それを感じ取りたいと思っています。
実は、ビジネスチャットで砕けた表現を使うのが少し苦手で、ついつい言葉が硬くなってしまうんですよね(笑)。
なので、直接会って話せない場合は、電話で声を聴こうとしてしまいます。そのこだわりゆえに、時間がかかり過ぎてしまうことがあり、そこは私のジレンマです。
金子:みんな忙しいのでチャットで済ますと効率的ではあるけど、ニュアンスが伝わらない。悩むんですよね...。
髙安:金子さんもスタッフの方とよくコミュニケーションを取ると聞いています。
金子:社員が20名程度の事務所ですが、いい意味で、みんな個性が強くて考え方もバラバラです。だからこそ、入社1年目も30年目も関係なく立場を超えたフラットなコミュニケーションが取れる空気をつくり、スタッフの否定はしない。それぞれの意見を出し合いながら“こういうことをやってみたい!”を形にして、常に新しいことに挑戦していく意識は持っています。誰もがスムーズに仕事ができる環境を整えて、あとは失敗してもしょうがないよね。
髙安:怒らないんですか?
金子:いや、さすがに何回もやったら怒りますよ(笑)。
髙安:相手のあることは、答えのないことがほとんどで、自分の経験則を頼りに「きっとこうだろう」と予測しても外れることも多々あります(笑)。やはり、顔を突き合わせ、言葉を尽くす方が正解に近づく気がします。感覚が古いかもしれないですが...(笑)。
金子:私も同じですよ(笑)。ただ、キャリアとともに自分自身の成長や成果に対する関心よりも、スタッフ一人ひとりの自己実現をサポートすることに、喜びを感じるようになりました。スタッフが楽しそうに働いている様子を見ることが、何よりもうれしいです。
髙安:私は、支配人になってまだ日が浅いのですが、商業施設の仕事に関わるようになってから、いつかは支配人を経験してみたいという思いを持つようになりました。
金子:なぜやってみたかったんですか?
髙安:お客さまとの距離が近い現場を経験してみたいという思いがありましたし、いつも楽しそうに働くトリエや当社の他商業施設のスタッフたちの姿も、大きな刺激になっていました。裏方の仕事も山ほどありますが、自分たちで考え、工夫して運営をするおもしろさを感じていますし、スタッフと同じ方向を向いていろいろなことに取り組むことができ、日々充実しています。
スタッフのうれしそうな顔を見たいのは、金子さんと同じですね。
金子さんが株式会社パルコに入社したきっかけは何でしょうか?
金子:純粋に販売の仕事がしたかったというよりも、株式会社パルコはマーケティング要素もあるし、まちづくりもしているし、エンタメカルチャーもある。一つの枠に収まらないおもしろそうな会社だと思い選択しました。
よく、「なんで辞めないでずっと続けているの?」と聞かれますが、社内におもしろい人が多いんです。私は、人が好きなんでしょうね。
自由な発想から生まれる企画で
一緒にまちを盛り上げていきたい
髙安:今日の対談を機に、PARCOさんとトリエで新しい一歩を踏み出せたのではと感じています。今年の春には駅前広場が完成しますし、調布はますます人の流れが生まれるエリアになっていきますね。これからもご近所同士のご縁を大切に、いろいろな場所で、自由な対話から新たな取り組みが生まれていくことを楽しみにしています。
金子:2つの施設の協働で、化学変化が起こればおもしろいですね。個人的には盆踊りをやっても楽しいだろうし、ブリュワリーもあるのでオクトーバーフェストのようなこともできるし、音楽も映画もある。コンテンツがありすぎて、アイディアが止まりませんね。企画を磨き上げていきたいです。
髙安:地元の方々とも連携して、今まで以上に調布というまちが元気になる取り組みを進めていきたいです。それができるのも調布の魅力ですよね。












