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アトリエうかい
製菓長内藤さん東京・神奈川を中心にレストランを展開する「うかいグループ」の洋菓子店。“旬の素材を最も美味しく提供する”というこだわりのもと、厳選素材を使い、職人が丁寧に仕上げている。
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フキアージュ
オーナー畠山さん調布市を中心としたポップアップなどで人気を集め、2021年11月に調布市小島町に店舗をオープン。「良質の材料を使ってシンプルに作る」ことをモットーに、香りや見た目にもこだわったスイーツを提供している。
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ミニフィルム
オーナー塚原さんオンライン専門のスイーツ店として3年間販売を続け、2024年7月に調布市菊野台に店舗をオープン。食べ終わった後も「まだ食べられる」と思える飽きのこない“日常食”となるようなケーキや焼き菓子を目指している。
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インタビュアー坂井 勇太朗
(クリーム太朗)スイーツメディア「ufu.」(ウフ。)編集長。
スイーツプロデューサー。お菓子を通じた開発・コンサルティング・プロジェクトマネージャーなど幅広くつとめる。


出店の決め手は「調布」の
住みやすさと人の温かさ
坂井:本日は調布を代表する、人気スイーツ店のみなさんにお越しいただきました。調布のこと、店舗のこと、そしてスイーツのことをぜひ色々とお聞かせください。まずは、調布に出店したきっかけを教えてください。
内藤:うかいの創業は、奥高尾の山あいに佇む、いろり炭火焼料理の「うかい鳥山」に始まります。その後も八王子を拠点に、鉄板料理やとうふ料理など、さまざまなレストランを展開し、調布からも多くのお客さまに足を運んでいただいてきました。そうしたご縁に支えられ、2017年のトリエ京王調布グランドオープンに際し、地域に根ざしたパティスリーとして出店を決めました。
畠山:フキアージュは、調布にオープンして4年目になります。駅前には大きな広場があり、活気があるところに魅力を感じました。また、自分が住みたいまちに出店したのも理由のひとつです。
塚原:住んでいらっしゃるみなさんの雰囲気やきれいな街並みが印象的で、私のケーキのイメージに合うと思い柴崎駅前に出店しました。実際にオープンすると、お客さまもフレンドリーな方が多く、積極的にコミュニケーションを取ってくださいます。以前勤めていた店舗とは異なり、下町っぽい雰囲気を感じています。
畠山:フキアージュにも週に何度もお越しくださる顔馴染みのお客さまがいらっしゃり、いつも会話を楽しんでいます。
坂井:アトリエうかいさんは、駅近のトリエ京王調布に店舗がありますが、やはり幅広いお客さまが来店されますか?
内藤:はい。ありがたいことに、駅という様々な方が行き交う場所なので新しいお客さまは多いですが、週に数回通ってくださる常連の方もいらっしゃいます。温かいお客さまが多く、購入いただいた商品の感想をお話ししてくださることもあり、地域の方との繋がりを感じられて嬉しいです。
‟地域の人に還元したい“
パティシエたちの想い
坂井:みなさんのお話を聞いて、調布は住んでいる方々の愛を感じる場所だなと思いました。そんな地域の方のために‟大切にしていること“があれば教えてください。
畠山:ポップアップストアや催事という形で調布以外の様々な場所でも出店をしていますが、一番大切なのは、店舗がある調布のお客さまだと思っています。スタッフとアイデアを出し合いフェアを積極的に打ち出したり、子ども向けに夏祭りのイベントを開催しています。今年も、くじ引きやスタンプラリーなどの企画を実施し、多くの方に喜んでいただきました。
内藤:地域との連携を大切にしたいと考えていて、できる限り調布の食材を使っています。畠山さんが開催されているイベント、とても素敵ですね。私も調布の方々に喜んでもらえるイベントをトリエ京王調布と協力して企画してみたいと思いました!

塚原:私は“日々に寄り添えるスイーツ”を大切にしています。年齢性別問わず、誰もが手軽に食べられるプリンやシュークリームを展開する理由はそこにあります。子どもたちの思い出の味になる存在でありたいです。
宝石のようなケーキたちが紡ぐ、
“美味しい”エピソード
坂井:先程から目の前のスイーツが気になって仕方がないですが、一押しスイーツを含めた各店舗のこだわりをズバリ教えてください。
内藤:アトリエうかいは、レストランから始まっているので、食後のデザートをテーマに、旬の食材にこだわりつつ、シズル感や余韻を感じられるようなケーキを一つひとつ真心込めて丁寧に作ることを心掛けています。
坂井:オレンジ色のケーキがとても気になります。
内藤:「モワルー~アプリコットオレンジ~」は、カカオバターでコーティングしたチョコレートの中に、アーモンドのムースとアプリコットとオレンジのソースが入っています。とても繊細なので、テイクアウトの限界に挑戦したケーキともいえますね(笑)。軽さや風味をしっかり感じられる仕立てにしました。
坂井:可愛らしい器に入ったプリンとシフォンケーキも美味しそうですね。

ギフト箱あり¥3,240・箱なし¥2,640◇バニラのプリン¥560◇モワルー~アプリコットオレンジ~¥720【アトリエうかい】
内藤:「バニラのプリン」は、アトリエうかいの看板商品です。素材一つひとつにこだわり、特にバニラビーンズは品質の良いマダガスカル産をカラメルソースにもふんだんに使用し、香りを存分に楽しめるプリンです。器のイラストはメリーゴーランドがモチーフとなっており、素材もガラスなので、小物入れとして使われる方もいらっしゃいます。食べた後も楽しんでいただけたら嬉しいです。
「シフォンケーキ」は、元々うかい亭の定番スイーツの一つです。メープルシロップやシャンティを別添えにすることで、レストランデセールさながらの一品に仕上げました。生地は、口溶けの良さを最大限に感じてもらうため気泡を細かく含ませています。
坂井:フキアージュさんはいかがでしょうか?
畠山:オープン当時から人気のケーキを持参しました。一つ目は、「チョコレートケーキ」です。空気をしっかり含ませているので、しっとりとした食感が楽しめます。
二つ目は、北海道産のクリームチーズを使った「ドゥーブルフロマージュ」です。塩味もマイルドでクセが少ないのが特徴です。二つとも「だれが食べても美味しいものを」と考えました。甘みを抑えているためとても食べやすく、ファンも多くいらっしゃいます。
坂井:フキアージュさんといえば、焼き菓子のイメージも強いです。フィナンシェはアーモンドの香りが凄く芳醇ですね。
畠山:はい。フィナンシェも人気商品です。挽きたてのアーモンドを使うことで、香りは格別ですし、毎日食べても飽きません。実は、私自身もこのフィナンシェが大好きで、毎日食べています(笑)。

坂井:塚原さんのスイーツも、とっても美味しそうですね。
塚原:奇をてらうよりも、親しみやすく、身近なスイーツを作りたいと思っています。今回、持参した「モンブラン」は、一番初めに試作した商品で、試行錯誤を重ねた思い入れが強いスイーツです。熊本県産の和栗、クリーム、ほうじ茶のメレンゲのみで作っているので、栗の香り、ほうじ茶の香ばしさなど素材の良さを活かすことを大事にしています。
坂井:よく柑橘系ソースなど、酸味のあるソースを合わせることが多いと思いますが、合わせなかった理由を教えてください。
塚原:やはり、シンプルに和栗の純粋な美味しさや香りの余韻を楽しんでもらいたかったのと、モンブランはどうしても濃厚さが出てしまうので、『軽くて美味しい』を意識しました。
一番人気の「永遠のプリン」も、コクと甘味が強い那須御養卵と北海道産の牛乳・生クリームをふんだんに使っているので、なめらかな舌触りと、とろける食感の食べやすいプリンに仕上げています。商品名も“皆さまに永遠に愛されるプリンになってほしい““なめらかで永遠と食べていられる“という二つの意味を込めました。
坂井:サブレも美味しそうですね。
塚原: 「焦がし醤油のサブレ」です。
坂井:ええ!? 珍しい。
塚原:実は、以前勤めていた店舗でも展開していた商品で、つまみ食いするほどこのサブレが好きで…。好きすぎて自分流にブラッシュアップし、販売しています。発酵バターの風味と醤油の香ばしさがマッチして、洋風お煎餅のような風味に仕上げています。

“特別な日に寄り添いたい”
ハレの日を祝うスイーツたち
坂井:たくさんのスイーツをご紹介いただきましたが、ハレの日などのイベント毎のスイーツをみなさんどんな想いで作られていますか?
内藤:ハレの日は家族で楽しむ大事な時間。定番となる「苺のショートケーキ」は特に力を入れています。旬の食材を使用し、常にお客さまにフレッシュな状態で召し上がっていただけるよう鮮度の管理も徹底しています。何よりも‟美しく美味しいもの“を届けたいという想いで、毎回全力投球で臨んでいます。

畠山:イベント時は、スペシャル感を感じて欲しいので ‟いつもとは違うケーキ“を意識しています。デザインも毎回変更しますので、日常生活でも常にアンテナを張り巡らせて、たくさんのヒントやアイデアを自分の中にインプットしています。みなさんの特別な日に彩りを添えられることが原動力にもなっています!
塚原:特別な日のケーキももちろんですが、当店は常連のお客さまが多いので、定番のケーキも大事にしています。日常に寄り添った、いつでも食べたくなるケーキを目指しているので、日常と非日常のバランスを大事に考えています。ケーキを通して大切な思い出が記憶として紡がれたら嬉しいです。
調布を盛り上げたい!
三者共通の熱いパッション
坂井:最後に、今後の抱負を聞かせてください。
畠山:繰り返しになりますが、オープンから4年目を迎え、ポップアップなどの影響もあり、店舗が広く知れ渡り安定してきたと感じています。だからこそ、今後はより‟調布“に目を向けて、店舗自体を進化させつつ、求められるもの、時代にフィットしたものを作っていきたいです。また、まち全体を巻き込んでイベントが出来たら面白いのではと思っています。
塚原:私も同じですが、まずは、調布のお客さまに喜んでもらうために地元に根ざした店舗づくりをしていきたいと思っています。夢は大きく、この地で100年続けることです。その上で、調布以外の地域からもたくさんの方に足を運んでいただけたらと考えています。

内藤:アトリエうかいも、都心や地方都市にて、積極的にポップアップや催事に出店しています。それが調布の集客に繋がればいいなと思っています。わざわざ横浜から通ってくださるお客さまもいらっしゃるので、より調布以外のお客さまを呼べるような環境づくりをしていきたいです。調布に訪れる方が増え、さらにまちが盛り上がるといいですね。
坂井:みなさん、調布のことを大切に想われていることがとても伝わりました。これからも熱い想いで調布を盛り上げてくれそうなお三方にぜひ期待したいです!
本日はありがとうございました。
ご紹介店舗
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アトリエうかい トリエ京王調布 A館1F 〈TEL〉042-444-7367 -
フキアージュ 【本 店】調布市小島町1-2-5
アジャンタ調布2 1F 【仙川店】調布市仙川町1-3-32
ピアバリュー仙川 -
ミニフィルム 調布市菊野台1-17-5 BREV1F 〈TEL〉042-426-7403
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