毎日がもっと楽しくなる
そんな想いから誕生したトリコレ編集部。
自分の「好き」にこだわり続ける編集長アーヤと、雑誌「日経エンタテインメント!」創刊編集長などを経て、数々のヒット商品を予測してきた品田英雄氏が、人生を楽しくする編集の力について語り合いました。
トリエ京王調布が
店舗スタッフと組んで展開する
「トリコレ編集部」とは?
品田:トリエ京王調布から新しいWebサイト「トリコレ編集部」が始まると聞きました。
パリコレみたいな響きですが、まずは「トリコレ」について教えてもらえますか?
アーヤ:トリコレは「トリエコレクション」といって、もともとはトリエ京王調布に出店していただいているファッション店舗の販促の一環として実施してきたものです。
実際に店舗で働いているスタッフの皆さんに協力いただき、Webやポスターなどに登場してもらい、春夏秋冬の年4回、おすすめのコーディネートやファッションアイテムを紹介するという展開をしてきましたが、暮らしを“楽しく”してくれるのはファッションだけではないよね、というところから、衣・食・住、ライフスタイルに関わるすべての業種を含める新しいかたちで「トリコレ編集部」をスタートすることにしました。
品田:なるほど。トリエ京王調布に、ひいては調布の街に来ればこんな楽しいことがあるよ、という提案をコンテンツに盛り込んでいくイメージですか?
アーヤ:そうですね。調布や近隣にお住まいの方はもちろん、今まで調布を訪れたことがなかった方にもWebサイトを通して遊びに行ってみたい、住んでみたいと興味を持っていただけたらと思っています。
品田:昨今のデジタルマーケティングのように、実体のないところで検索に引っかかろうと苦心するのに比べて、トリエ京王調布というカタチがそこにあって実際にショッピングや飲食を楽しめるというのが、スタート時点からすでに違っているし、リアル店舗の大きな強みですよね。
アーヤ:ありがとうございます。トリエ京王調布は2017年9月の開業以来、「調布らしいちょっとステキな生活」をテーマに、街の賑わいの起点として地域とともに成長してきました。ライフスタイルを彩る駅近商業施設として親しまれていますが、トリコレ編集部の発足を機に、もっと多くの方に知ってほしいと考えています。
編集の力で、
自分の「好き」をもっと好き!に
品田:そんな中、このたびアーヤさんが編集長に就任した経緯とはどういったものですか?
アーヤ:トリエにいらっしゃるお客さまっていつもキラキラ輝いているなと感じていて、そのキラキラの源は「幸福度」ではないかと思い、幸福度というのは、どこから生まれるのかと考えたとき「好き」というワードに辿り着きました。
そこで、トリエ京王調布の存在自体が、お客さまご自身の「好き」に気付くきっかけの場となれるよう定期的に情報発信をしていったらどうかと考えたんです。
その際、調布らしさ、トリエらしさは大事なキーワードとして考えていたので、お客さまと直接触れ合う店舗のスタッフを編集部員の一員として巻き込み、物事を整理して再構成するという意味を持つ「編集」というワードを取り入れました。
また、都心の商業施設とは異なりお客さまとスタッフとの距離が近いからこそ、人と人との触れ合いを大切にすること、お客さまとの接点を第一に考えること、大親友のように接する「ミカタ」のような存在でいたいという気持ちを込めて、アーヤというアイコンを編集長として設定しました。
さらに、アーヤや編集部員をはじめトリエから皆さんにキラキラを届けたいというマインドを明確化するため「編集の力で、みんなの好きをキラキラに」とビジョン(合言葉)を設けました。
みんなの好きが集まればさらに毎日が輝き、だれもがみんな「自分のスタイルを愛せる」と考えています。
品田:長いこと編集に関わってきた僕にとっては、「編集」に目をつけてくれたことが嬉しいですね。
例えば100の情報があれば、そこから大切なものを選んで記事を作り、さらに強弱をつけて魅力的に見せるのが編集の仕事だと思っていますが、あるときネットニュースの編集者の方から、今は100の情報があればそれを丸ごと掲載すると聞き、驚きました。そうすることで、1時間後には自然に記事に順列がつくと、つまり記事を載せる側が何も考えないということ、それではどのニュースサイトを見ても、五十歩百歩ですよね。
店舗に置き換えたときにも実は同様の現象が起きていて、何でもかんでも一回棚に並べて、売れた商品だけ残していくから、どこの店舗に行っても違いがなくなってしまう。 単に工業製品が並んでいるだけの店頭って、お客さまにとっても楽しくないですよね。
反対に、「好きだから」というところから始まって、自分たちのセンスで選んだものが美しく並んでいれば、お客さまにとっても買い物がワクワクする時間になると思うんです。
まさにそこにあるのは、編集の力。つい力んで語ってしまいましたが(笑)。
アーヤ:その通りだと思います。売れているものばかりを集めると、みんな同じようなラインナップになってしまい、結果、面白味のない展開になってしまう。そこは大きな課題だと感じています。
品田:「これ売れています」「みんなが買っています」というところに学びはないですが、好きなものには必ず学びがあるんです。
仮に自分の好きを集めたときに、それがお客さまのニーズとずれていて、失敗することがあるかもしれない。でも、それが勉強ですから。センスを上げるためには、学びが必要なんです。
街の中心にあるトリエが、
ワクワク・キラキラの
発信拠点になる
品田:都心からのアクセスも良いうえに自然も多いエリアですよね。調布って知名度よりも実力が高くて、住んでいる方の幸福度も高いというか、いい意味でのプライドをもっている印象があります。
僕の叔母も深大寺に住んでいましたが、誇らしげにしていました(笑)。
アーヤ:調布は長くお住まいの方が多く、調布の街が大好き!というお声を良く聞きます。
地元の長く愛されている商店街があったり、大学も多く、角川大映スタジオや日活調布撮影所もあり映画のまちとしても知られており、カルチャー的要素も強い街です。
また、街全体が平坦な土地なので、サイクリング等、気軽にレジャーを楽しむこともできます。近年ではファミリーで移り住む方も多く、古いものと新しいものが融合する素敵な街です。
品田:先週、C館で映画を見ましたが、C館横の屋外フリースペースも京王電鉄さんが整備されたのですか。
アーヤ:はい。「てつみち」といって、有難いことに調布の憩いの場として沢山の方が活用してくださっています。
実は、4本のレールが敷かれており、これは以前実際に使用していたもので、他にも金網フェンスや、段差部分など、鉄道跡地を活かした設計となっています。
これは、住民の皆さんが調布駅であった名残を残してほしいとの希望から派生したもので、てつみちのロゴ※の「て」に関しても本線と相模原線のポイント(転てつ機)を意識してデザインしたものなんです。
品田:なるほど。そういった空間を利用できるのも、リアルならではのメリットですね。
最後に、今後のトリコレ編集部としてのあり方を聞かせてください。
アーヤ:今後も地元密着型である商業施設の強みを活かしながら、調布の活性化のために「調布の街」を編集していきたいと考えています。
さらには、トリコレ編集部のビジョンとしてかかげている「編集の力で、みんなの好きをキラキラに」を達成するため近隣や沿線の住民の方々を巻き込みながら調布をキラキラでいっぱいにしたいです。
品田:僕の大好きなサルサが踊れるラテンフェスティバルも、ぜひ調布で実現してほしいな(笑)。人生がもっと楽しくなることをやってくれそうなトリコレ編集部に期待しています!
Profile
日経BP 総合研究所 客員研究員
日経エンタテインメント!創刊編集長
品田 英雄(シナダ・ヒデオ)氏
学習院大学法学部卒業後、ラジオ関東(現ラジオ日本)入社。制作部にて『アメリカントップ40』など音楽番組を担当。1987年日経マグロウヒル(現日経BP)に入社。週刊誌記者を経て、月刊誌『日経エンタテインメント!』を創刊、編集長に就任。現在は日経BP総合研究所で客員研究員を務める。趣味は世界のラテンバーでサルサを踊ること。
著書『ヒットを読む』(日本経済新聞社)、『日本ゲーム産業史』(日経BP)ほか。
名古屋テレビ「ドデスカ!」、東京MX「News Tokyo Flag」コメンテーターなど多数のメディアに出演中。